【レビュー】『アンビション』アディダスの中距離スパイクは短距離でバリバリいける!!
トラックでもタイムを求めれば厚底を選ぶべき時代です。 でも、『マックスフライ』や『プライムSP2』はカーボンガ
アディダスのランナップは… 短距離→プライムSP2 中距離→アンビション 長距離→アバンチ こうなっています。 ちなみにナイキだと上からマックスフライ、ズームビクトリー、ドラゴンフライが相当しますので、直接的なライバルはヴィクトリー。 短距離選手ならプライムSP2とマックスフライを選ぶのが定石ではあるものの、これらは10秒0で走るトップ選手が履いているものと同じ。つまり、一般レベルの選手には到底扱いきれない性能を持っています。 そこで、海外メーカーのスパイクについては トップ選手以外はむしろ中・長距離スパイクの方がタイム出んじゃね? っていう説があるのです。
中・長距離スパイクと短距離の関係の時系列をザックリ列挙すると以下の感じ↓
年 できごと 2020年 マックスフライ登場! ズームビクトリー登場! ドラゴンフライ登場! 2021年 プライムSP2登場! アンビション登場! アバンチ登場! 東京五輪でジェイコブスがマックスフライで優勝 ドラゴンフライ短距離で行ける説 2022年 アディダスの厚底がナイキと拮抗 世陸オレゴン100mHでアムサンがアバンチで世界新 (決勝でも記録更新ながら追参) 2023年 テントグルーがアンビションで8m40 (厚底規定で取り消し) 備考:違ったら教えて!笑ナイキのマックスフライ、ヴィクトリー、ドラゴンフライは20年にはスパイク自体は出てるはずで、これが トラックでも厚底 の始まりのはず。 21年にはナイキ厚底が一般発売されて、ここで 短距離でもドラゴンフライの方が速いんじゃない?説 が出てきます。 22年にはアムサンがアディダスの長距離用であるアバンチで100mHの世界記録を連発。この出来事によって、トップ選手以外は中・長スパイクの方が良いんじゃないか?っていうのが割と現実的な話として定着したと思います。
管理人が衝撃を受けたのは、 2023年の室内シーズンにテントグルーがアンビションで8m40を跳んだ! という事件。厚底規定に引っかかって記録は取り消しになりましたが、短距離のみならず、高反発が必要であろう跳躍であっても、中長スパイクがイケルっぽい…アンビションやべぇんです。 テントグルーの8m40については詳しくはこちらの記事で↓
で、 普通に行くと管理人もドラゴンフライを買うべきですが、ドラゴンフライは発売から時間がたっても品薄状態で値段も2万オーバーと試しに買うにはかなり高い! ってことで、実質1万円でネットですぐ買えるアンビションを購入!! 結果的に、アンビションが良かったのでドラゴンフライとズームビクトリーも買っちゃったんですがね…
【レビュー】アンビションはフォアで走ればめちゃくちゃ進む!!
ここからが管理人が実際にアンビションを履いたレビューです。 率直な感想は… クソほどフォアを強要されるけど、割り切ってフォアで走れば推進力がものすごい!! 乗れた時の反発は100mであっても脚が持たないレベルで強くて、中距離スパイクにもかかわらず薄底の感覚でいえば最強レベルです。 走り心地はやっぱりライトストライクプロに依存する感じが強くて、接地が後ろ気味になると上に跳ねちゃうけど、割り切ってフォアで接地してバウンディングみたいに股関節を使うと推進力がすっごい!!
フォアで踏んで股関節を使ってスピードバウンディングみたいに走るとめっちゃ進む!まず、 アンビションはゴリッゴリのフォアフットスパイクです!! これを「フラットでも使える」なんて言いだしたら、もはやこの世にフラットで使えないスパイクなんてものは存在しなくなると思う。とにかくフォア一辺倒のスパイクです。
前足部に ライトストライクプロが 直方体な感じで入っているので、この ボックスをぶっ潰して反発させるとものすごい推進力が得られます。 反発材の入り方はこんなイメージ↓
わかりにくいな…
アンビションのおいしいところを引き出すには ・フォアでライトストライクプロをぶっ潰す!! ・反発を股関節を使って前向きにする!! この意識が大事かと思います。
イメージとしては… フォアで踏んでスピードバウンディングみたいに股関節を使って走る! うまく反発を引き出せるとものすごい推進力を発揮してくれます。 バウンディング的な大きな動きで、ハムや腰の大きな筋肉を使って走ることができるので、走り終わったときの疲労感は薄底スパイクとは全然違いますね。
まずもって、このスパイクを履くなら完全にフォアで接地することを割り切ることが大事です。ちょっとでもフラット気味に着いてみたり、股関節を使わずに足を回そうと思うなら別のメーカーにした方がいい。割り切った分だけ進む!!
そんな感じでアンビションは伸るか反るかみたいな印象が強いので、間違いなく扱いにくいスパイクに分類されるでしょう。 そもそもが明らかにフォアなスパイクなので、 フラットでパンパン走る選手や、軽く乗ってグイーっと重心移動させる走りには合わない!! メタスプリントとは真逆って感じがするので、ジェットスプリントが合う選手にもアンビションは合わないんじゃないかな? あと、同じ厚底でもミズノのXブラストネオはプレートに乗って重心移動して追い風に吹かれて走る感覚なので、あれともまるっきり違う。
『カクンってするライン』より後ろで踏んじゃうと幅スパみたいに上に跳ねまくる。画像:カクンってするラインよりフォアで着ければ弾む!
SPブレードみたいに傾斜があってもフラットで使えるスパイクは結構ありますが、 アンビションは傾斜自体はそれほど強くないけどフラットじゃ全然使い物にならない! 見た目ではそれほど傾斜はないんですけど、実際に履くと『支え台』みたいな段差があって、 カクンってするところ があります。 で、このカクンってするところのラインより前(フォア)で着くか、後ろ(フラット)で着くかで反発の方向が全然変わっちゃう!
具体的に言うと、 母指球と小指球のラインよりちょっとでも後ろで接地すると上に跳ねまくっちゃう!! 他のスパイクだと多少接地が後ろにずれても重心移動でごまかせる場合が多いですが、アンビションはカクンってするラインよりちょっとでも後ろだと修正がきかずに思いっきり上に跳ねちゃいます。 ただ、ラインよりフォアで着けばものすごい推進力が得られる!
そして、 「上に跳ねる」感じが幅跳び用スパイクの上に弾む感じにかなり近い! 身体が重心からポーンと上に投げ出される感覚がほぼ幅スパで、アンビションで踏み切れば幅跳びでもかなり記録がでるんじゃないかな?実際、テントグルーは8m40跳んでるわけだし。 管理人が妙にアンビションを気に入ったのは、弾み方が幅スパと共通するところがあるからかもしれません… (っとはいえ、アンビションは前足部の厚みが中足部よりも大きいのでリストでは幅跳びNGです。)
カクンってする感じは、動画の29秒あたりでアロップがカクンカクン歩いてるのを見たらなんとなくわかると思います↓ アロップもアンビションだよね? 走るときはこのカクンのラインより前で接地すると進みます。
カクンってするのは『フォアの面』で接地するアディダスの特徴画像:アクセラレータもフォアに面がある!
メーカーの味ってありますが、 カクンってするのはアンビションに限らず他のアディダススパイクでも共通した特徴です。 一番わかりやすいのはフィネスで、でっかい支え台があって、このラインを境に『フォアの面』とそれ以外にハッキリわかれています。(厳密にはフィネスじゃなくてアクセラレータ。SP1の世代のプレートはほぼ共通です。) 見た目にはフラットな幅跳び用のアディゼロLJも、ピンのあるフォアの面で踏んだ時とフラットで踏んだ時の跳ね方が明らかに違います。 アディダスのスパイクはこの『フォアの面』で着けばいいから、走っていてもどこで接地すればいいのかわかりやすい! 接地場所をスパイクに強要されるため、合う合わないはあるかもしれませんね。
『フォアの面』って意味不明かもしれませんが、 重心移動ではなくてフォアを1枚の面にして踏む感じがするんです。フラットだと足裏全体を面にして踏むんですが、アディダスはフォアを面にして踏む感じ。 アディダスを履けば多分言ってることがわかるはず。笑 アディダスはピンのある部分が四角(あるいは三角)の面になっている感覚があって、転がす感じではなくて『フォアの面』を踏むと強く反発が返ってきます。
『厚底』の沈み込む感じはかなりある!アンビションのデメリットとして挙げられそうなポイントは… ミッドソールの沈み込みが結構ある! これが厚底スパイクに共通した特徴なのか、このタイプのスパイク特有なのかはわかりませんが、しっかり踏んで弾んで走るスパイクであることは間違いないです。硬さは感じないから相対的に接地は長いんじゃないかな? あと、 コーナーでのブレが気になったり、スタートで踏みずらさを感じる可能性は高い。 (管理人はスプリンターじゃないから細かい技術的な問題は気にならん)
薄底スパイクと比べると文字通りワンクッションあって、これはメタスピードを履いた時にも似たような印象がありました。 ピンレスのメタスプリントのような 『接地した瞬間に反発が返ってきて足が勝手に回っちゃう!』的な走り心地とは 真逆 !! の印象。 200m専門のナイトンが薄底を使ってるところをみても、感覚的な差はけっこうあるんだと思う。
厚底でもタイプによっては合う合わないがあるかも?画像:Xブラストと比べると反発素材の入り方が全然違う!
- 反発材の反発で弾むタイプ(アンビション、メタスピード)
- プレートの硬さで跳ねるタイプ(マックスフライ、Xブラストネオ )
- プレートの硬さで倒れこむタイプ(ドラゴンフライ、マジックスピード)
連続的なので明確な区別はできないし1と2はあんまり差がない気がしますが、無理やり分けると多分こんな感じじゃない? どれがベストかはわからないけど、みんな違ってみんな良い… デメリットでみれば、1は 沈み込み が、2は 硬さによる扱いにくさ が、3は 反発の弱さ が弱点として挙げられると思います。
で、 アンビションは屈曲は硬くはなくて扱いやすい反発は十分に強いんだけど、ライトストライクプロを潰す必要があるから『沈み込む感覚』が結構ある! だからなんだ?っていうと、この沈む感触が嫌いな人は結構いると思う。 中距離スパイクだけど、反発に関して文句言う人は多分いないくらい強いし、それでいて屈曲自体は柔らかいから足裏へのダメージもほぼなくて優しさがある。
管理人は「スピードバウンディング的に走ると良い!」って思ったけど、これはつまり「1歩1歩しっかり踏んでいきたい」と言い換えることもできる。 足を回して走りたい人からすると反発のタイミングが遅く感じるかもしれません。 これは気になる人は気になるだろうし、走りを買えないといけない場合もあるでしょう。 ナイキのビクトリーやドラゴンフライはもっと素早く切り返すので、踏み込みや反発のタイミングはもっと早いです。ナイキとアディダスどっちが合うか?は反発のタイミングによるかもしれません。 なんにしても、アンビションは1歩1歩でガッツリとミッドソールを潰して走るほうが反発感は得られます。
サイズ感は「幅が狭くて縦に長い」。重さはそこそこ。
気になるサイズ感ですが、他のアディダスと同じく 幅が狭くて縦に長い とは思います。 ただ、足型が合わなくて履けないってことはないと思う。土踏まずがあたるとかも特にないので、サイズさえ合えば大丈夫。
管理人の他のスパイクとのサイズ感の比較はこんな感じ↓
メーカー モデル サイズ サイズ感 実測重量 アディダス アンビション 28.5 ちょいゆる 178g アクセラレータ 28.0 ジャスト 182g アディゼロLJ 28.0 ちょいゆる 250g アシックス メタスプリント 28.5 ゆるい 144g ジェットスプリント2 28.5 ジャスト 154g サイバーブレード 28.5 ゆるい 168g LJプロ3 28.5 ちょいキツ 245g ソニックスカイプロ 28.0 ジャスト 235g ミズノ Xブラストネオ 28.0 ジャスト 194g Xレーザーエリート2 28.0 ジャスト 170g ナイキ スーパーフライエリート2 28.5 ゆるい 170g JAフライ3 28.0 キツい 160g管理人、ネットで買うから試着しないので怪しいときは28.5を買ってます。 陸上スパイクは基本的にキツ目で履くのがセオリーだとは思いすが、0.5くらいなら多少緩くても問題はないです。ただ、ミズノは足が合うのかいつも28.0cmで安心安全のジャストです。 アンビションに関してはアッパーが破れやすそうで、ぴったりフィットで性能を発揮するタイプのアッパー素材ではないと判断して、28.5cmで行きました。結果、28.0cmが正解だった気はします…
28.5cmで178g!厚底だけどけっこう軽い画像:28.5cmで実測178g!軽くはないけど重くもない
実測178gは薄底でいえば決して軽くはないですが、厚底であることを考えれば軽いです。 薄底のアクセラレータより軽いし、Xブラストネオが194gでかなり重さを感じるのに対してアンビションは特に重いって言う印象はないです。ただ、メタスプリントみたいに軽くて足が回ってくれるわけではない。 まあ、 重量は普通 です。重さについては軽くもなければ重くもない っていうか、別に気にならないしメリットにもならないレベル。
アッパーは破れそう!フィット感は別にどうってことはない。画像:アッパーのメッシュは限界レベルで薄い!ミニ四駆のメッシュより薄い!!
アッパーはメッシュとゴム(?)の2重構造になっていて、外側はメッシュアッパー、そして内側は ゴムっぽい伸縮するやつ になっています。 外側のメッシュは明らかに弱そうな薄~いメッシュで、ピンがちょっとでも引っかかったらお陀仏でしょう。 そして、足を入れるところから土踏まずあたりまでがアシックスの「モノソック」と同じ構造になっています。 モノソックについては『LJプロ3』のレビューを参照↓
で、 フィット感については普通です! どうってことない。 悪くはないし、別に良くもない。ブレることはないけど吸い付くってほどでもない。走っていて何かを感じることはないですね。
『履きずらさ』は慣れちゃえば余裕画像:ベロがゴムでつながった「モノソック」構造
初めてアンビションを履くと、たぶん「モノソック」の履きずらさにびっくりすると思います。 履き口が非常に狭いため、足の形によっては履くのに時間がかかったり場合によっては足が入らないなんて人もいるかもしれない。 ただ、これは最近のスパイクはこう言う構造になっているものが多いです。アンビションはゴムがけっこう伸縮するので、グイーっと引っ張ればスポンと足が入るはず。 もし足が入らなかったら諦めてアシックスかミズノを買いましょう。スーパーフライエリート2とかも似たような形になっていますから海外スパイクはエスケープ。 ちなみに、管理人はNBのSD100っていうスパイクでこれの10倍くらいの履きずら差を経験済み(履けな過ぎて短い靴ベラ買ったほど)。アンビションについては 履きずらいなりに履きやすい という評価だ!
【まとめ】アンビションは割り切ってフォアで走れればめっちゃ進む!! 短距離でもメインスパイクとしてバリバリ使える!
今回はアディダスのアディゼロアンビションのレビューをご紹介しました。 中距離スパイクではあるものの、ドラゴンフライ登場以降は専門種目を問わずに走力に合わせてスパイクを選ぶというのが一般的になりつつあります。 で、元祖『短距離で使える中・長スパイク』であるドラゴンフライは高いし品薄なので、安くてネットですぐ買えるアンビションを買ったわけです。
結論から言えば 割り切ってフォアで走れるなら、メインスパイクとして短距離でバリバリ使える!! っと思います。 逆に言えば、ちょっとでもフラット志向があるならアディダスなんかやめておけ!
フォアで股関節を使って走れる選手なら間違いなくおすすめなスパイクです!!
posted with カエレバ これ履けばベスト出るんじゃね!?っと思うほど推進力を得られる良いスパイクです。なんにしても、 このスパイクが実売1万5千円以下なのは破格!! 昨今はスパイク価格がアホみたいに上がっちゃっていますが、この金額なら試しに買っていい。 練習用に買ったとしても、1回履けば試合用に格上げになる!それくらいいいスパイクです。 (フラット派は合わないので、フォアで割り切れるかどうかがカギです!!笑)
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