くさび形空気層による光の干渉とは
くさび形空気層による光の干渉とは

くさび形空気層による光の干渉とは

くさび形空気層による光の干渉の原理や明暗の条件、計算問題について解説します。

・『(縞の間隔が整数\(\hspace\large\hspace\)に依存しないため、)観察される縞の間隔は全て一定の値となる』 ・『2枚のガラス板のなす角度\(\hspace\large\hspace\)が大きいほど(間隔\(\hspace\large\hspace\)が大きいほど)、縞の間隔は狭くなる』 ・『入射する光の波長\(\hspace\large\hspace\)が長いほど、縞の間隔は広くなる

【2】くさび形空気層の下から見たときの干渉

図6.くさび形空気層を下面から観測した場合の干渉 【2-1】光路差の計算

このとき発生する光路差は、点Bから点Aを往復する距離であるため、上から見た場合と同様に\(\hspace\large\hspace\)となります。 したがって、光路差\(\hspace\large\hspace\)は以下のようになります。 $$\large$$

【2-2】干渉縞の明暗の条件

下面から観察した場合、点Bで反射した光線は、再び点Aで反射されます。 このとき、2回の反射はどちらも屈折率の小さい物質から大きい物質での反射であり、それぞれの反射で位相が\(\hspace\large\hspace\)だけ反射します( 固定端反射 )。

【下面から見た干渉縞の明るい縞の条件】 【下面から見た干渉縞の暗い縞の条件】

上面と下面から見たときで干渉縞の発生条件を比較すると、明暗の条件が逆転していることが分かります。 例えば、上面から観察したときに位置\(\hspace\large\hspace\)に明るい縞が観察された場合、下面から見たときには位置\(\hspace\large\hspace\)には暗い縞が観測されます。

この上面と下面で干渉縞の明暗が反転する性質は、エネルギーの保存則を表しています。 例えば、上から見て明るい縞が発生しているとき、干渉の効果がない場合と比較して観測される光強度は大きくなります。上方向に光強度が大きくなった分だけ、下方向は光強度が減少して暗い縞が観測されます。

【3】くさび形空気層の干渉の計算問題

【3-1】縞の発生する位置

【問題】 2枚のガラス板からなるくさび形空気層にd線(\(\hspace\large\hspace\))の波長の光を入射する。上面から観測したとき、2枚のガラスの接点から数えて100番目の明線はどの位置に発生するか。 なお、図7に示すように、2枚のガラス板の接点から200[mm]の位置に高さ0.3[mm]のスペーサーを挟んでいるとする。

図7.くさび形空気層の縞の発生位置

【解答と解説】 くさび形空気層の上面から観測したときに、明るい縞の発生する条件は以下となります。 $$\large x = \frac(2m +1) \lambda\hspace (m=0,1,2, \cdots)>$$

\begin &\large \hspacex &\large = \frac \times \frac(2 \times 99 +1) \times 589.3 \times ^ \hspace\\[0.7em] & & \large\approx 19.5[mm]\\[0.7em] \end

【3-2】2枚のガラス板の距離が離れた場合 図8.2枚のガラス板が離れるときの縞の発生位置の計算

2枚のガラス板が離れていないとき(\(\hspace\large\hspace\))、位置\(\hspace\large\hspace\)にある整数\(\hspace\large\hspace\)における明るい縞が発生したとすると、強め合いの条件から以下が成り立ちます。 $$\large x = \frac(2m +1) \lambda\hspace(1)>$$

【3-3】くさび形空気層を水で満たした場合の縞間隔

【問題】 図9のように、屈折率\(\hspace\large\hspace\)の2枚のガラス板によるくさび形空気層を、屈折率\(\hspace\large\hspace\)の水で満たしたとする。このとき、上から見たときの干渉縞の間隔はどのように変化するか?

図9.くさび形空気層に水を満たした場合の縞間隔

よって、屈折率\(\hspace\large\hspace\)の水でくさび形空気層を満たしても、水で満たす前と位相の変化の仕方は同じであることが分かります。 つまり、【1-2】干渉縞の明暗の条件と同じく、光路差\(\hspace\large\hspace\)が波長の\(\hspace\large>\hspace\)倍のとき強め合う干渉、波長の\(\hspace\large\hspace\)倍のとき弱め合う干渉になります。

したがって、縞の間隔\(\hspace\large\hspace\)は以下のように計算されます。 \begin \large \Delta x &\large =&\large x_ - x_\\[1.0em] &\large =&\large\frac - \frac \\[0.5em] &\large =&\large \frac \end