【滝落ちて群青世界とどろけり】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞文・作者など徹底解説!!
【滝落ちて群青世界とどろけり】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞文・作者など徹底解説!!

【滝落ちて群青世界とどろけり】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞文・作者など徹底解説!!

五・七・五の十七音で四季の自然の美しさや、それに伴う感動などを詠みこむ「俳句」。 古典文学にその源泉は求められますが、令和を迎えた現代でも俳句をたしなみ、愛好する人はたくさんいて多くの句が詠まれ

五・七・五の十七音の中に、美しい自然の光景や四季の移ろいを描いた「俳句」。 今回は、医師という本業を持ちつつ、日本の俳壇の中心でも活躍したを36句ご紹介します。 俳人、水原秋桜子(1892年生)の生まれた日。 医学博士でもある。 高浜虚子に師事し、客観写生。 「馬酔木」主宰。 「来しかたや馬酔.

季語

こちらの句の季語は 「滝」、季節は夏 です。

意味

こちらの句を 現代語訳 すると・・・

「滝が力強く滝つぼに向かって落ち、周囲の、青々とした葉をつける木々の広がる森林に水音をとどろかせている。」

「群青世界」というのは、 水原秋桜子の造語 です。

この句が詠まれた背景

こちらの句は、 水原秋桜子が 62 歳、昭和 29 年( 1954 年)に詠んだ句 で「帰心」という句集に収録されています。

この句にある滝は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の 那智滝(なちのたき) です。

この句は、水原秋桜子の代表作のひとつでファンも多い句です。そのため、この句にちなんで、秋桜子の命日 7 月 17 日を群青忌日と呼び、夏の季語となりました。

「滝落ちて群青世界とどろけり」の表現技法

ちなみに、間違いがちですが、こちらの句は 「句切れなし」 の句になります。

句切れなし

この句は、終わりが「けり」となっています。まぎらわしいですが、 この「けり」は切れ字ではありません。

動詞「とどろく」の已然形「とどろけ」に、 存続の助動詞「り」がついたもの です。

「滝落ちて群青世界とどろけり」の鑑賞文

【滝落ちて群青世界とどろけり】の句は、 大きな滝とそれを取り囲む森林、深い山の荘厳で神秘的な様子を詠み込んだ壮大な句 です。

「群青」から受ける色彩イメージ、「とどろけり」から受ける音響イメージ、 五感を刺激してくれる句 です。

「滝落ちて群青世界とどろけり」の補足情報

那智の滝について

那智の滝は、一段の滝としては日本一となる 133 メートルの落差を誇り、岩肌を垂直に流れ落ちる水量は毎秒 1 トンにも及びます。

また、滝の周囲には古くから禁伐林として保護されてきた那智原始林が広がり、鬱蒼とした木々が神聖な空間をさらに引き立てていて、 作者が「群青世界」と称したのはまさにこの原始林のことでしょう。

那智の滝は、熊野那智大社の別宮である飛瀧神社のご神体そのものであり、古くからの 自然信仰の象徴的な存在 です。

「群青世界」という造語

「群青世界」は作者が作り出した造語であることは広く知られていますが、元となった単語は 仏教用語の「金色世界」 だと言われています。

「中尊寺金色堂」のようなまさに金色に包まれた仏閣や、かつては金色に輝いていたとされる東大寺の大仏など、 仏教と黄金は切っても切れない関係にある のです。

また、滝の項目でも述べた通り、那智の原始林は 変わらぬ植生を保つ静的な場所 です。

作者「水原秋桜子」の生涯を簡単にご紹介!

水原秋桜子の本名は水原豊。明治 25 年( 1892 年)生まれ。大正期から昭和にかけて活躍した俳人・歌人です。

その一方で医師でもあり家業である病院を経営し、医科大学で教鞭をとる 医学博士 でもありました。

高浜虚子が携わる 俳句雑誌「ホトトギス」 の同人となり、日本の俳壇を席巻したホトトギス派の中でも特に注目され、ホトトギス派の黄金時代を築き上げた一人でもありました。

その後、 俳句雑誌「馬酔木」を主宰 し、ホトトギス派とは考えを異にする俳人たちと新興俳句運動の流れを生むこととなりました。

そして、水原秋桜子は昭和 56 年( 1981 年) 88 歳で亡くなりました。

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  • 1 「滝落ちて群青世界とどろけり」の作者や季語・意味
    • 1.1 季語
    • 1.2 意味
    • 1.3 この句が詠まれた背景
    • 2.1 句切れなし
    • 4.1 那智の滝について
    • 4.2 「群青世界」という造語

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