蛇口を絞っても流速が増さない理由をエネルギー損失の観点で解説
ベルヌーイの式では説明がつかない問題に対して、損失を考慮したエネルギー保存式と連続の式で解説します。
さて、ここでエネルギー保存式のエンタルピ―\(h\)を内部エネルギーと圧力エネルギーで表現すると式(2)は次の様になります。※このエネルギー保存式の形態の解説はこちらをご覧ください。\[\fracv_1^2 +e_1+ \frac=\fracv_2^2 +e_2+ \frac=\fracv_3^2 +e_3+ \frac ・・・(3)\]ここで、ベルヌーイの式の考え方では「損失がない事が前提」となり等エントロピー変化(可逆変化)になります。その際のエネルギー変換は、運動エネルギー \(1/2v^2\) と圧力エネルギー \(p/\rho\) の間で行われることになります。でも世の中は甘くなく、そんな理想的なことはあり得ません。損失が発生してエントロピーは増大します。
4. 蛇口内部流れにおける損失
世の中に数あるエネルギーの中で熱が一番順位が低いエネルギーの形態です。ですので、この場合は「損失が発生する=熱に変わる」と思ってもらって構いません。すなわち、式(3)のエネルギーのうち、何らかの要因で損失が発生して内部エネルギー \(e\) に変えられてしまうのです。
流体力学における損失の要因は 粘性による摩擦 です
5. 蛇口出口の流速
蛇口出口の流速もセオリー通りに連続の式で求める事ができます。ここに対しては違和感はないと思います。しかし、今回はエネルギー保存による内部エネルギーの増加を考えましたので、温度に依存する物性:密度 \(\rho\)も変わることになります。今一度連続の式を確認すると\[G=\rho_1 v_1 A_1 = \rho_2 v_2 A_2 = \rho_3 v_3 A_3 ・・・(1)\]なので、③の箇所の流速は\[v_3=\frac\]より、密度\(\rho\)も考慮して求めてください。ベルヌーイでは非圧縮の前提になりますので、慣例的に密度一定で考えられていたと思いますが、今回はそうではないんですね。