中原中也の詩「汚れつちまつた悲しみに」の感想
中原中也の「汚れつちまつた悲しみに」は、有名な詩です。誰もが口ずさめるような親しみやすさがあり、心のどこかで共感して慰められる人も少なくないでしょう。ただシンプルゆえに多面的で奥深く、人によって意味の捉え方や感じ方が違いそうです。私なりに解...
汚れつちまつた悲しみに
汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の 革裘 かはごろも 汚れつちまつた悲しみは 小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく 汚れつちまつた悲しみは 倦怠 けだい のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに いたいたしくも 怖気 おぢけ づき 汚れつちまつた悲しみに なすところもなく日は暮れる……
中原中也「汚れつちまつた悲しみに」
リフレインの効果「汚れつちまつた悲しみ」というリフレインが、まるで絶え間ない小雪のよう。
そのため、読む人によって、読む時々によって、さまざまな意味の捉え方ができそうです。
狐の革裘の二つの解釈 持ち主から離されたまずは、狐の革裘が、持ち主の身から離されたものと想像できます。 そうでなかったら、小雪に縮こまることはないと思うんですよね。持ち主を温めているうちは、革裘もそこまで寒さを感じることはないでしょう。
生身から剥がされたそれから、狐の革裘が、実はすでに死体であるという事実です。
相重なる孤独感持ち主から離れてしまった。生身から剥がされてしまった。
この二つのイメージが相まって、「狐の革裘」はどうしようもない孤独感の現れのような気がしてなりません。
倦怠の意味とイメージこの詩では「倦怠」の二文字が目を惹きますね。「心身が疲れてだるい」とか、「飽き飽きする」という意味です。
「汚れつちまつた悲しみ」というリフレインは、降りかかる小雪のようにも見えますが、悲しみの走馬灯にも見えます。
中也の詩の浄化作用中也の詩はそのまっすぐな心ゆえに、多くの人を惹きつけて止まないのでしょう。
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